24日(土)、今年からvuivuiに来てくださっている西川さんが主宰するフォーラムに行ってきました。
西川さんはNPOシニア・システム協議会の代表をされていて、高齢社会の様々な課題に取り組んでいらっしゃり、その一つに、シニア世代が情報社会から落ちこぼれないようにと、シニア向けにアイパッドなどの使い方や活用の仕方を伝える勉強会を開かれ精力的に活動されていらっしゃいます。
フォーラムでは、最初の1時間でiPadの使い方をなのはな光withNTT東日本がレクチャー。iPadなんて触ったこともない、という方から初心者レベルのシニアの皆さんに向けて1から教えてくれます。ちゃんと一人一台のiPadが用意されていて、スタッフも何人もいてサポートしてくれていました、すごいです。
↑黄色の服を着た人たちがスタッフ
でもちょっとここで気になった、というか、違和感?のようなものを感じたのが、スタッフの皆さんの話し方。これは介護や高齢者向けの現場ではよくある光景なのかもしれませんが、私は、どうかな?と思ってしまいます。なんか、子供に話しているような、そんな感じの話し方。
一般的な「高齢者」「お年寄り」のステレオタイプなイメージ(ネガティブな)でひとくくりに捉えてしまうと、そうなりがちなんでしょうかね?
少なくともここに来ている皆さんは「iPadを使ってみたい!」と思って来ている、知的好奇心旺盛でお元気な方たちばかりです。
そんな素晴らしい人生の大先輩に対してはむしろもう少し敬意を持った話し方で接していただきたいものです。
これは日本語教育にも言えることですが、たとえば、母国では立派な地位にあったりエリートだったり、普通の人間だったりするのに、ただ日本語ができないだけなのに、そういう人に向かって子供に接っしているかのように振る舞う教師やボランティアさんがいたりするそうで、それはやめましょう、ダメですよ、みたいなことがテキストに書いてあったのを覚えています。まあ、いるんでしょうね。。
私自身もvuivuiでも介護の現場でもそのことには注意し気を使っているつもりですが、vuivuiの皆さんにもそこは意識していただきたいことではありますね^^
続いて残りの1時間で、5人のスピーカーがiPadの実際の活用事例をご紹介する、ということで各自10分間を与えられていました。
↑人前で話すのが苦手。。やっぱり話していてわけわからなくなってしまいました。。。ToT
↑西川氏とバングラディッシュのアメドさん。アメドさんはラマダン中にもかかわらず、西川さんのためにと来てくれました!
私はvuivuiの簡単な紹介と、そこではどのようにiPadなどを使っているか、使えるのかをお話ししました。
例えば、会話中に相手の方の出身地を地図で確認したい時や、料理のイメージを知りたい時に写真を検索してみたり、漢字が思い出せなくてググってみたり、音楽を聴かせたり・・・。ネットの中には勉強のネタは山ほどありますよね。相手の国の言葉を勉強してみたいなと思ったら、学習のツールも豊富にあります。
とにかく、私としては、別にiPadありきの国際交流ではなくて、国際交流、コミュニケーションありきのiPad、そんな立ち位置でお話しさせていただきました。iPadなどのツールはあくまでも補助的な道具、お守りとしてお使いいただき、実際の交流自体を楽しんでいただきたい。今回のフォーラムのテーマが「アイパッドで認知症にならんゾゥ〜!」ということでしたが、もちろん指を使うアイパッドは脳にいいと思いますが、私は人とのコミュニケーション自体にこそ、認知症予防の効果があるのでは?と思っていますし、それは様々な研究や実験でも実証されていることでもあるようです。
食事、運動、知的好奇心を持つこと、コミュニケーション。
これらが大事だそうですよ。
私は現在、訪問介護の現場で認知症(アルツハイマー型)の方のケアに入っています。
本当に人間の脳は不思議です。未知です。こうなってしまったら、どうにもこうにも、もうどうしたらいいのか。。。なんとも言えませんが、とにかく医療の進歩を願うばかりです。。。
そしてもし本当に食事や運動に気をつけて、好奇心をもって、人とのコミュニケーションを楽しむことで予防できるのであれば・・・。そんなのはわからないけど、でも何もしないよりはね、少しでも脳の老化を遅らせることができるのであれば、そうしたいと私は思いますよ。
寿命と一緒に、健康寿命も伸ばしましょう。
でももし、趣味もなく楽しみもなくただひたすら仕事人間でやってきた人が、定年を迎えた時に果たして「さて、じゃあ趣味やら生きがいやら仲間でも探すか」という気になるのでしょうか?空いてる時間はゴロゴロしていただけの人が、60過ぎてからシャン!とすることができるのか?疑問です。
そこはやっぱり、早めの時期からの準備、「自分の生きがい、趣味は何か?ライフワークとなるようなことは何か?」を考え、行動することが大事じゃないかな?と、いろいろな人を見ていて実感しています。
70代半ばにして病のため目が見えなくなってしまった、それまでは一人でなんでもやってどこにでも行けていたのに。。人の助けがないと不自由になってしまった。そんな中でも、昔から歌を習っていて歌が大好きで、目は見えないけど歌は聴くことができる、歌うこともできる。歌っている時の彼女は本当に楽しそうで嬉しそう。私が行く時だけは内緒で(会社に)スマホにあるyoutubeで大好きな歌を流して差し上げて、一緒に歌の練習をしています。たった15分くらいの短い時間ですが。。その時の彼女の笑顔は本当に素敵です。若いときからの楽しみが、辛い状況になった今の彼女の救いとなり楽しみとなっている。私が来るのを楽しみにしているのよ、とおっしゃってくださいます。
こういう時、出来るうちにいろいろなことをやっておこう、と思いますね。何が自分を救ってくれるかわからないから。。
そして、仲間がいる、ということも、とても大事なことなんだろうなと、西川さんとスタッフの皆さんを見ていて感じました!
vuivuiでの活動もきっと脳にいいはずです!シニア世代になってもみんなで楽しく元気良く活動できたら幸せです!
とにかく、「高齢社会」や「介護」というと、メディアではネガティブな内容ばかりでたまに愕然として暗い気持ちになってしまうこともありますが、こうしてシニア世代の皆さんが精力的に、楽しんで活動されている姿を拝見して、まだまだこれから!というパワフルな情熱を感じることができました。いろいろなことを考えさせられ、勉強になった2時間でした。
ありがとうございました!
mie.