VuiVuiのスタイルとは。「学習」についての私の考え。

   

「勉強」とは、受け身ではダメで、自分で感じた興味、関心、疑問を、自ら知ろうとする姿勢がなかったら何も身につかないと思うんです。私は10代の頃から、学校教育のつまらないやり方にうんざりし、反発心を常に抱いていて、でも結局どうすることもできず、ただただ受け身でいてしまったんですね。要はダメダメな子でした。

20歳頃に参加した、葛飾区の日本語ボランティア教室でのことです。

最初はまず見学、ってことで、その会の会長さん(60代くらいの男性)のグループに入りました。
メンバーは日本人は会長さん、学生は国籍は忘れましたが3人いました。そこで私はただ見ていたんですが、だんだん腹が立ってきたんですね。

というのも、会長さんが準備した新聞の切り抜きを題材にし、彼ら外国人たちが分からないであろうと推測される単語までもあらかじめ会長が準備してあったんです。そして会長がひたすら喋っていて、学習者の皆さんはただ聞いているだけ、っていう、まさに私が経験してきたクソつまらない学校の授業のようなことをしていたからです!

若さというのは時に恐ろしく、残酷です。

私は我慢できず、会長に向かってブチ切れてしまったのです。
「なんなんですか、これは!!怒」

って、これじゃ学校と同じじゃないか!、勉強は受け身じゃ何も身につかない!とか何とか、「勉強」に対する云々をこのおじ様に向かってギャーギャーと言ったもんだから大変ですよ。
もちろんこの会長さんもゆでダコのように顔を真っ赤にして、「なんなんだ君は!」ってキレてました。

怖いですね〜自分が(汗)

もちろん、今だったらそんな恐ろしいことしませんよ。言いたくたって我慢するのが大人ってもんです。若いってすごいですね、ある意味。

私の日本語ボランティアに関わった最初の日がこれ、です。

普通だったら、初回でこんなに喧嘩したんだから、「もう二度と来るか!」というか、楯突いた手前行きにくくなって行けなくなると思うんだけど、なぜか?この時は「悔しいから来週も行ってやる!」って思ったんですね。

それから早19年。。やはり「縁」があったのかしら?と思わずにいられません。私が「縁」というものをやたら意識してしまうのは、こんな経験があったからです。
だから、ボラさんや学習者がなかなか定着しない、とか、誰々さんが来なくなった、とか、それが何でだろう?とか、ほとんど気に病んだことはありません。「ただ縁がなかっただけでしょ。」って思うだけです。

 

とにかく、幸いだったのが、この会長さんもいい人だったんですよね。

この教室で出会った、今でも家族のように親しい「兄貴」が言うには、私がキレたことで、この会長さんも思うところがあったらしいよ、と。普通、こんな若造に、しかも女に面と向かって文句言われたら絶対許せないと思うけど、この方は懐が深い優しい方だったんですね、まあだから全部自分で勉強の準備してあげちゃってたんでしょうけど。。

そんなこんなで、この会長さんとも徐々に普通に話したり接したりするようになり、楽しく参加していました。

その後私もいろいろあり、引越しして、今のVuiVuiを立ち上げるに至るわけですが、その後この会長さんとはもう会うこともなく、残念ながら数年前にお亡くなりになったそうで、何の挨拶も出来ぬままサヨナラとなってしまいましたが、今でもあの時の非礼を恥ずかしく思い出し、申し訳ない気持ちでいっぱいになります。

でも、あの時キレた気持ち、私が「勉強」とか「教育」とかに対して抱いている気持ちは間違いだったとは思わないし、今も全く変わらない、VuiVuiをやる上でもそれは常に持ち続けています。

 

だからきっと、学校教育のやり方、教えてもらうことに慣れていて、それが「勉強」だと思っている人にとってVuiVuiは物足りないと感じるかもしれません。

VuiVuiのスタイルは、「学習者の希望」に合わせるようにしているので、学習者が何をしたいか、何を勉強したいのか、明確な目的がない方にはきっと合わないでしょう。
受け身的な勉強がしたいのであれば、VuiVuiではダメです。

それは学習者だけでなく、ボランティアさんも同じです。

受け身的な人にとっては、きっとVuiVuiはつまらないでしょう。
なぜなら、こちらからは何も準備もしないし、「こうしてください」ということも、何もないからです。

自ら動ける人、自ら見つける人、自ら考える人、「ボランティア」とは、そういう人でないと楽しめないのかもしれない、と思います。

「何かを自らキャッチする感受性」がないと、せっかくたくさんの人との出会いや経験を目の前にしても、そういうチャンスを取り逃がしてしまうことになります!そんなのもったいないじゃん!

・・って、
「思考の整理学」by外山滋比古の本を読んでいて、ふと、思ったのでした。

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